"ちょっとしたことで、「空なんて嫌い」と言ってしまった。 そしたら、「仕方ないな」と言われてしまった。 何か言おうと口を開いたら、「お前に好かれるために、お前を好きなんじゃないからな」と続けられてしまった。 「好きな人には好かれたいもんじゃないの?」と言い返したら、 「一番好きな人間が、自分のことを一番好きと言ってくれるのは、翔、ものすごいことだと思わないか。何万・何億といるうちの一番が、相手にとっても一番なんて、そうそうあることじゃない」と言って、「だったら仕方ないと思わないか」だそうだ。 「逆に言えば、お前がどう思っていても、俺の一番はお前のままだよ」
空という人間は、物言わぬ天体の星座に長い間焦がれすぎて、相手から「好き」の感情が返ってくることを期待しない。 オレはなんだか、「一番」と言われたことに嬉しさを覚えると同時に、寂しくなってしまった。" |